アメリカ・カナダ・メキシコの道路はいずれも右側通行です。この点はよく知られた事実です。しかし、それ以外にも交通法規の違いがあります。ここでは、私の知る範囲での情報を記します。
I.赤信号右折可(例外あり)
交差点で赤信号であっても、安全を確認した上であれば右折することができます。
しかし、この一般ルールには重要な例外があります。
1つは、交差点に”NO TURN ON RED”(赤信号右折禁止)のサインがある場合です。交通量が多かったり、見通しの利かない交差点などでみられます。
もう1つは、個別の州の法律で禁止されている場合です。具体的には、ニューヨーク市内(マンハッタン、クイーンズ、ブロンクスなど)、カナダのケベック州では、NO TURN ON REDのサインが無い場合でも赤信号右折は禁止です。ニューヨークに入る高速道路では、「これから先は赤信号右折禁止」の標識がでますが、あまりに文字が細かくて通常気づかないと思います。
II.踏切前で一旦停止しない
日本なら踏切前では必ず一旦停止ですが、そんなことをアメリカでやった日には後ろから煽られます。下手をすると追突事故の原因になりかねません。「止まらないで徐行」が正しいのですが、ほとんどの踏切では電車が滅多に来ないこともあって、徐行している雰囲気さえ、あまり感じられません。
III.ALL WAY STOP の交差点は早い者順
交差点にSTOP(カナダ・ケベック州では”ARRET”、メキシコでは”ALTO”)サインがあるところでは当然止まりますが、全ての方向からの車が止まるようになっているときには、STOPの下の標識に”4 WAY”と書かれています。この場合、最初に止まった車からの早い順で交差点に進入することができます。
IV.ロータリーは反時計回り、出る車両優先
日本ではあまり見かけないロータリーですが、アメリカではかなり頻繁に見かけますし、高速道路の終点や出入口がロータリーになっている例も少なくありません。ロータリーは半時計周りの一方通行です。STOPなどのサインがなければ、ロータリーの手前で必ずしも一旦停止しなくてもよいですが、ロータリーから出て行く車が優先になります。その意味で、一旦入ってしまえば自分が優先になります。
V.有料道路料金所の窓口の種類に注意
無料が基本のアメリカ・カナダのフリーウェイですが、東海岸の都市部を中心に、日本と同様の有料高速道もいくつかあります。基本的に、日本と同じように運転すれば事足りるのですが、料金所窓口で失敗しないようにしましょう。
具体的には、(1)FAST LANE(日本のETCに相当する、料金自動支払システム)のゲートに間違って入らない、(2)EXACT AMOUNT(お釣りなし、多くの場合、無人の機械にコインを投げ込む)のゲートに入るときはコインの持ち合わせがあるか確認する、といったところでしょう。機器が備わっていない乗用車で Fast Laneを通過すると交通違反となり、後日、後ろのナンバープレートを撮影した証拠写真とともに、50ドルの反則金納付請求書が送られてきます。ただし、間違って通ってしまうケースが多いためか、最初の違反であれば、事情を説明した書類を送り返すと、「こういうケースはよくあるので、今回限りは見逃します」として免除してもらえます(上記はいずれも、2003年のマサチューセッツ州のケース)。
>>参考1
>>参考2
VI.駐車違反は即アウト
アメリカやカナダでは、駐車違反は警察のほか、市の職員が巡回してチェックしています。日本のように「線を引いて15分待って駐車違反成立」…などということはなく、駐車禁止の道路で運転者が車から離れていれば即違反成立、パーキングメーターも1分でも超過していれば違反を取られます。反則金額は通常10~30ドル程度で大したことはないですが、ボストン市内では55ドル、ニューヨーク市内では場所によりますがマンハッタンのど真ん中なら最高200ドルに達します。反則金を払わないと遅延の加算金が追加されます。レンタカーを借りて、反則金を払わずに日本に逃げ帰っても、レンタカー会社に請求が行ってクレジットカードから引き落とされてしまうらしい(しかも、遅延の加算金を取られる)ので要注意です。
また、同じ駐車違反でも、バス停、障害者用駐車スペース、消火栓の前だと違反料金が跳ね上がります(2~5倍)。駐車スペースがなく、やっと見つけた! と思ったら、消火栓の前だった…ということは日常茶飯事です。
VII.スクールバスには要注意
黄色いボンネットバスは典型的なスクールバスです。生徒・児童の乗り降りのために停車する場合、赤い派手なランプが点滅するとともに、車のサイドに折りたたんである「STOP」の標識が展開されます。この間、安全確保のため、スクールバスの追い越しが禁止されるだけでなく、対向車もバスの手前で停止しなければなりません。そんなわけで、バスの後ろについてしまったら、慌てずにゆっくり進みましょう。そのうち曲がってくれます。
VIII.ネズミ捕りにも要注意
一般に、アメリカの規制速度は日本より2~3割ほど高いと考えられます。道路の広さの違いもあるものの、住宅街で25マイル(40km)、通常の2車線道路で35マイル(55km)、高速道路だと65~75マイル(100km~120km)といったところです。速度違反については、10マイル(16km)以上オーバーだと捕まるケースは結構あるようです。周囲クルマの流れについていくと、おおむね10マイルオーバー以下のようです。ただ、10マイル以下の違反でも、違反は違反ですし、特に登下校中のスクールゾーン(20マイル制限)では、5マイル(8km)オーバーでも捕まったという話を聞いたことがありますので、絶対に大丈夫とは言い切れません。
一方、カナダやメキシコの制限速度キロメートル表示で、日本と同じかちょっと高めの規制速度になっています。ただ、取り締まりの厳しさなのか国民性か、割合ルールに忠実なカナダ人に対し、メキシコ人で速度を守っている車はあまり見ません…。
アメリカ・カナダのパトカーには速度違反検知のためのレーダーが取り付けられています。レーダーの性能は一定ではないと思いますが、ある州の警察官に実際に聞いたところでは、そのパトカー車載のレーダーは、後ろからでもすれ違いざまでも検知できるとのこと。ただ、通常の速度取締りは日本と同じで、(1)高速道路で覆面パトカーが早い車を取り締まり、(2)定点で待ち伏せして違反者をその都度止める、といったものです。(1)に関しては、高速道路に”radar enforced”の標識があることが多いです。覆面パトカーは通常、左のフェンダーミラーが2つ付いてますが、高速で走っていると通常分かりにくいですね…。また、パトカーの中には、車体上部にサイレンがついておらず、遠くからだと見分けにくいものも存在します。取り締まりですが、周りのクルマの流れと同じでも、超過速度が大きいと一番後ろの車が餌食になるというパターンも散見されます。さらに、さすがアメリカというか、(3)空から飛行機で違反者をチェックしている場合がある。
ところで、私が実際に感じた、ネズミ捕りが多い場所、時間は、
1.非大都市圏の高速道路
2.都市間を結ぶ幹線道路(非高速道路)が、集落に入って、制限速度が落ちる場所
(例えば50→30マイル制限)
3.平日の昼間:気のせいか、夜間取り締まりを見たことがありません。
4.スクールゾーン(登下校の時間帯)
といったところです。もちろん、そうでないシチュエーションで捕まっても、私は責任を負えませんので念のため…。
アメリカからカナダ・メキシコに入国すると、制限が「マイル」から「キロメートル」になります。50kmを「50マイル」だと思って走ると30kmオーバーになるわけです。この勘違い(?)を利用しているのか、国境地帯では取り締まりに注意という話を聞きましたが、実際に取り締まりに力を入れているかは不明です。
VIII.メキシコでは道路の段差(トペ)に注意)
こちらは、メキシコ特有のお話です。幹線道路は集落を通過する際には相当制限速度が下がります(例:80km→40km)。このとき、速度を確実に落とさせるために、”Tope”と呼ばれる段差が道路にあります。この段差、ちょっとハンパじゃないくらい高く、気持ちよくドライブしていると突然「ガタン」なんてことになって、下手をするとクルマにダメージを与えかねません。制限速度の表示に注意して、下がったと思ったら「トペ」の存在を常に頭に入れておくべきでしょう。なお、トペは市街地を走る道路にもあります。
IX.検問
アメリカ国内ではまずありませんが、メキシコ国境の近くや軍事施設の近くには稀にあります。具体的には、テキサス州エルパソから70号線経由でホワイトサンズ国立公園へ向かう場合、公園のすぐ手前に検問があります(反対車線はなし)。
また、アメリカから陸路メキシコに入り、国境地帯を離れると、自動小銃などで武装した軍が日常的に検問を行っています。
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